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家庭菜園のじゃがいも栽培の基本!育て方のコツと注意点

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家庭菜園でじゃがいもを育ててみたいけれど、何から始めたらいいか分からない、と悩んでいませんか。実はじゃがいも栽培は、ポイントさえ押さえれば初心者でもたくさんの収穫が楽しめる、家庭菜園にぴったりの野菜です。

自分で土から育て、ゴロゴロと収穫できた時の喜びは格別で、多くのガーデナーが春一番に手掛ける人気の作物でもあります。

しかし、適切な土作りや、種芋の植え付け時期と植え方はどうすれば良いのか、じゃがいも芽出しは必要なのか、といった基本的な疑問も多いでしょう。

また、おすすめの肥料や植え付けの深さ、栽培上の注意点、さらにはジャガイモの隣に植えてはいけないものは何だろう、スーパーで買ったジャガイモを植えてもいいのかな、といった具体的な悩みまで、知りたいことは尽きません。

この記事では、そんなあなたの疑問を一つひとつ丁寧に解説し、安心して美味しいじゃがいもを収穫するまでの道のりを徹底的にガイドします。

 

この記事の内容

  • 家庭菜園でのじゃがいも栽培の始め方がわかる
  • 植え付けから収穫までの具体的な育て方のコツがわかる
  • 栽培で失敗しないための重要な注意点がわかる
  • 初心者が抱きがちな疑問点がすべて解決する

 

家庭菜園でじゃがいも栽培を始める基本

家庭菜園でじゃがいも栽培を始める基本

※画像はイメージ:家庭菜園の時間

じゃがいも栽培に適した土作り

家庭菜園でじゃがいもを成功させるための全ての土台となるのが、じゃがいもが好む環境、つまり「土作り」です。じゃがいもは他の多くの野菜とは少し異なるユニークな性質を持っているため、この最初のステップを丁寧に行うことが、後の生育を大きく左右します。

結論として、じゃがいもはpH5.0~6.0程度のやや酸性の土壌で最も健全に育ちます。多くの野菜栽培で土壌の中和のために推奨される石灰(苦土石灰など)は、じゃがいも栽培においては原則として施しません。

なぜなら、土壌がアルカリ性に傾くと、イモの表面がザラザラとしたかさぶた状になる「そうか病」という土壌病害が非常に発生しやすくなるからです。この病気はじゃがいもの品質を著しく低下させるため、酸性の土壌を維持することが予防の鍵となります。

 

土壌のpHとは?

pH(ピーエイチ)とは、土壌が酸性かアルカリ性かを示す指標です。pH7が中性で、それより数値が低いと酸性、高いとアルカリ性になります。日本の土壌は雨の影響で酸性に傾きがちですが、じゃがいもにとってはそれが好都合なのです。

畑で栽培する場合、植え付けの2~3週間前までに準備を始めます。まず、1㎡あたり2~3kgの完熟たい肥(牛ふんやバークたい肥など、十分に発酵が進んだもの)と、腐葉土などをすき込み、深く(30cm程度)耕しておきましょう。

これにより、水はけと水持ちのバランスが良く、根が伸びやすいふかふかの土壌環境が整います。

そして、植え付けの1週間前になったら、元肥(もとごえ)として、チッソ-リンサン-カリの成分量が「8-8-8」などバランスの取れた化成肥料や有機配合肥料を1㎡あたり約100g施し、再度土とよく混ぜ合わせます。

 

プランター栽培の土作り

ベランダなどでプランター栽培を行う場合は、市販の「野菜用培養土」を使用するのが最も手軽で確実です。野菜の生育に適した栄養素や土壌改良材が最初からバランス良く配合されているため、初心者の方でも安心して栽培をスタートできます。

プランターを選ぶ際は、じゃがいもが地中で育つスペースと、後の「土寄せ」分も考慮して、必ず深さが30cm以上ある深型のものを選びましょう。容量としては20L以上が目安です。十分な深さと土の量を確保することが、プランター栽培成功の秘訣です。

じゃがいも特有の性質を理解し、適切な土作りを行うこと。これが病気を防ぎ、たくさんの美味しいイモを収穫するための、最も重要な第一歩となります。

 

スーパーで買ったジャガイモを植えてもいい?

家庭菜園を始めようと思ったとき、「調理用に買ったじゃがいもが余って芽が出たから、これを植えればいいのでは?」と考える方は少なくありません。手軽に始められるように感じますが、これは絶対に避けるべき方法です。

結論から言うと、家庭菜園でじゃがいもを育てる際は、必ず園芸店やホームセンターで販売されている「種芋」を購入してください。食用のじゃがいもを植えることには、見た目以上に深刻なリスクが潜んでいます。

最大の理由は、ウイルス病やその他の病害に感染している可能性が高いからです。食用のじゃがいもは、食べる分には全く問題ありませんが、栽培用としての品質は保証されていません。

目に見えなくてもウイルスを保持していることがあり、それを植えてしまうと、生育が著しく悪くなったり、収穫量が激減したりするだけでなく、土壌そのものを汚染してしまう恐れがあります。

一度土壌が汚染されると、数年間はナス科の植物が育てられなくなるなど、長期的な問題に発展しかねません。

 

「種芋」は法律で品質が保証されています

園芸店などで販売されている正規の「種芋」には、「検査合格証」が付いています。これは、植物防疫法に基づき、専門の検査員がウイルス病や害虫に汚染されていないことを厳しくチェックし、品質を保証した証です。

この種芋を使うことで、病気のリスクを大幅に減らし、健全な生育と安定した収穫が期待できるのです。

また、食用のじゃがいもには、流通段階で発芽を抑制するための処理が施されている場合があり、そもそも芽が出にくい、あるいは出ても生育が悪いことがあります。確実な成功を目指すためには、必ず「種芋」から栽培をスタートさせましょう。

 

菜園
菜園
食用のじゃがいもを植えることは、自分の菜園だけでなく、風や農具を介して近隣の畑にまで病気を広げてしまう可能性があります。家庭菜園を楽しむ上での大切なマナーとしても、必ず正規の種芋を選んでくださいね。

 

収穫量アップのコツ!じゃがいも芽出し

植え付け前に一手間かけるだけで、その後の生育が劇的に改善され、収穫量アップにも繋がる重要な作業があります。それが「芽出し(浴光催芽:よっこうさいが)」です。特に初心者の方にこそ実践してほしい、簡単で効果の高いテクニックです。

芽出しとは、植え付けの2~3週間前から種芋に日光を当て、がっしりとした丈夫な芽を事前に育てておく作業を指します。暗い場所で保管していると出てくる白くひょろ長い芽とは全く異なり、日光を浴びて育った芽は、緑や紫色で太く短く、生命力に満ちています。

この作業を行うことで、以下のような大きなメリットが得られます。

  • 発芽が早まり、生育がそろう:植え付け後のスタートダッシュが速く、複数の株の成長が均一になるため、後の管理が楽になります。
  • 丈夫な株に育つ:しっかりした芽から育った株は、初期生育が旺盛で、病気にも強くなります。
  • 不良種芋の選別:芽出しの段階で芽が出ない種芋があれば、植え付け前に取り除くことができます。

 

簡単!じゃがいも芽出しの手順

  1. 時期:植え付け予定日の2~3週間前から開始します。
  2. 場所:直射日光の当たらない、明るい日陰や室内の窓辺に種芋を並べます。段ボール箱や新聞紙の上に広げると良いでしょう。
  3. 管理:種芋全体に光が当たるように、数日に一度、上下をひっくり返してあげます。夜間に気温が5℃以下になる場合は、新聞紙をかけたり、室内に取り込んだりして凍結を防ぎます。
  4. 完了の目安:緑色や紫色の、太く短い芽が5mm~1cm程度の長さになったら準備完了です。これ以上長くなると、植え付けの際に折れやすくなるので注意しましょう。

必須の作業ではありませんが、この一手間をかけるかどうかが、収穫時の喜びの大きさを左右すると言っても過言ではありません。ぜひ、じゃがいも栽培のルーティンに取り入れてみてください。

 

種芋の植え付け時期と植え方は?

じゃがいも栽培は、年に2回植え付けのチャンスがあります。春に植え付けて初夏に収穫する「春作」と、夏に植え付けて晩秋に収穫する「秋作」です。それぞれの季節で気候条件が異なるため、作業のポイントも変わってきます。

初心者の方には、病害虫のリスクが少なく、栽培期間に余裕のある「春作」から始めることを強くおすすめします。

 

時期

春作秋作
植え付け時期2月下旬~4月上旬8月下旬~9月上旬
収穫時期5月下旬~7月上旬11月下旬~12月上旬
メリット・栽培できる品種が多い
・イモが大きく育ちやすい
・病害虫のリスクが比較的少ない
・貯蔵がきくイモが収穫できる
・害虫の活動が少ない時期に育つ
デメリット・遅霜の被害に遭う可能性がある
・収穫期が梅雨と重なることがある
・夏の暑さで種芋が腐りやすい
・栽培期間が短くイモが小ぶりになりがち
・台風の被害に遭う可能性がある

 

種芋の切り方と植え方

収穫量を増やすため、1個50g以上の大きな種芋は、いくつかの芽が含まれるように切り分けて利用します。

  1. 切り方:じゃがいもには「頂芽優勢」という性質があり、へそ(地面と繋がっていた部分)の反対側に強い芽が集中しています。そのため、頂部からへそに向かって縦に切ることで、各片に均等に良い芽が行き渡ります。1片が30~50g程度になるように切り分けましょう。
  2. 切り口の処理:切った種芋の切り口は、腐敗菌の侵入口になります。これを防ぐため、すぐに植える場合は園芸用の「草木灰(そうもくはい)」を切り口にたっぷりとまぶします。数日後に植える場合は、切り口を上にして風通しの良い日陰で2~3日乾かし、自然な保護膜(コルク層)を形成させます。
  3. 植え方:準備した畑やプランターの土に、種芋の切り口を必ず下に向けて置きます。株間(イモとイモの間隔)は30cm程度確保し、その後の土寄せがしやすいようにします。

 

菜園
菜園
秋作の場合は、夏の高い地温で切り口から腐敗するリスクが非常に高いため、種芋は切らずに丸ごと植え付けるのが鉄則です。秋作用には「デジマ」など、小さめの種芋が手に入りやすい品種を選ぶと良いですよ。

 

適切な植え付けの深さを解説

種芋を植え付ける際の「深さ」は、ただ土に埋めれば良いというものではなく、その後の生育や収穫物の品質に直接関わる、非常に重要な要素です。適切な深さで植えることで、じゃがいもは健全に成長し、管理の手間も軽減されます。

結論として、じゃがいもを植え付ける最適な深さは、種芋の上に5cm~8cm程度の土がかぶさる状態が理想的です。

この深さがなぜ重要なのか、理由を理解しておきましょう。じゃがいもの新しいイモ(塊茎)は、植え付けた種芋そのものが大きくなるのではなく、種芋から伸びた地下茎(ストロン)の先にできます。そして、このストロンは種芋よりも上の位置から発生します。

もし植え付けが浅すぎると、新しいイモが育つスペースが十分に確保できず、すぐに土の表面に顔を出してしまいます。じゃがいもは日光に当たると、前述の通り有毒物質「ソラニン」を生成し緑化してしまうため、これは絶対に避けなければなりません。

一方で、植え付けが深すぎると、特に地温がまだ低い春先には、芽が地上に出るまでに時間がかかりすぎてしまいます。これにより初期生育が遅れたり、過湿の土壌では種芋が呼吸できずに腐敗したりするリスクが高まります。

 

栽培方法別・植え付け深さのポイント

  • 畑栽培の場合:幅60~70cm程度の畝を立て、中央に深さ10cmほどの植え溝を掘ります。その底に種芋を30cm間隔で並べ、土を戻して5~8cmほどの覆土をします。これにより、イモが育つための十分なスペースが確保されます。
  • プランター栽培の場合:深型プランターの底に鉢底石を敷き、培養土をプランターの半分程度の高さまで入れます。その上に種芋を置き、5cmほどの土をかぶせます。プランター栽培では、後の「増し土(ましつち)」で段階的に土を追加していくため、最初は比較的浅めに植え付けるのが一般的です。これにより、限られたスペースを最大限に活用できます。

この「5cm~8cm」という基準を守ることが、じゃがいも栽培をスムーズにスタートさせるための鍵となります。

 

家庭菜園のじゃがいもを成功させる育て方

家庭菜園のじゃがいもを成功させる育て方

※画像はイメージ:家庭菜園の時間

収穫量を増やす「芽かき」と「土寄せ」

植え付けが完了し、無事に芽が出てきたら、次に行うのが「芽かき」「土寄せ」という、じゃがいも栽培における二大管理作業です。これらは収穫量を増やし、品質を高めるために欠かせない工程であり、通常はセットで行います。

 

芽かき:栄養を厳選した芽に集中させる

一つの種芋からは、いくつもの芽が力強く伸びてきます。これをそのまま放置すると、栄養が全ての芽に分散してしまい、結果として一つ一つのイモが大きくならず、小さなイモばかりがたくさんできてしまいます。

そこで、良質なイモを育てるために、栄養を集中させる「芽かき」が必要になります。

地上部の芽が10cm~15cm程度に伸びそろった頃が芽かきのタイミングです。生育が良く、太くて丈夫そうな芽を1~2本だけ残し、残りの細い芽や弱い芽はすべて根元から取り除きます。

作業のコツは、残す芽の株元を片手でしっかりと押さえ、種芋が土の中で動かないように固定することです。そして、引き抜く芽を根元で掴み、真上にゆっくりと引き抜きます。

 

土寄せ:イモのベッドを作り、緑化を防ぐ

「土寄せ(培土)」は、新しいイモが育つスペースを作り、品質を守るための重要な作業です。新しいイモは種芋より上にできるため、株元に土を寄せてあげることで、イモが育つためのふかふかのベッドを用意します。

また、イモが地表に露出して日光に当たり、有毒化(緑化)するのを防ぐという最も重要な役割も担っています。

土寄せは、一般的に2回に分けて行います。

タイミング作業内容ポイント
1回目芽かきと同時に行う
(草丈10~15cm)
残した芽の周りの土を軽くほぐし、株元に5~8cmほどの高さで土を寄せます。この時、追肥を同時に行うと効率的です。芽が倒れないように優しく寄せます。
2回目花のつぼみがつき始める頃
(草丈20~30cm)
畝の間の土を株元にしっかりと寄せ上げ、さらに10~15cmほど土を盛ります。畝全体がカマボコ型になるように整えます。イモの肥大が本格化する時期なので、ここでしっかりと土を寄せることが大玉を育てるコツです。

「芽かきで数を絞って栄養を集中させ、土寄せで大きく育てる」。この一連の流れが、豊かな収穫への王道です。

 

栽培でおすすめの肥料と与えるタイミング

じゃがいもは、その成長ステージに合わせて適切に栄養を補給することで、より大きく、質の良いイモをたくさんつけます。肥料を与えるタイミングは大きく分けて2回、植え付け時に仕込む「元肥(もとごえ)」と、生育の途中で追加する「追肥(ついひ)」です。

 

元肥:初期生育を支えるスタートダッシュの栄養

元肥は、植え付け前にあらかじめ土に混ぜ込んでおく肥料で、じゃがいもが根を張り、芽を出すための初期のエネルギー源となります。

前述の通り、畑の場合は植え付けの1週間前に、チッソ(N)-リンサン(P)-カリ(K)の三大要素がバランス良く含まれた化成肥料(例:成分8-8-8)や有機配合肥料を施します。

リンサンはイモの肥大を、カリはデンプンの蓄積を助ける重要な役割を果たします。

 

追肥:イモの肥大期を支える追加の栄養

追肥は、じゃがいもの生育が旺盛になり、イモが本格的に大きくなり始める時期に栄養不足にならないよう、追加で与える肥料です。

追肥のタイミングを間違うと、葉ばかりが茂ってイモが大きくならない「つるぼけ」の原因にもなるため、適切な時期に行うことが重要です。

追肥は、「土寄せ」と同時に行うのが最も効率的で、絶好のタイミングです。

  1. 1回目の追肥(1回目の土寄せ時):芽かきが終わったタイミングで、株と株の間の土の上にパラパラと化成肥料をまきます(1株あたり軽く一握り程度)。そして、その肥料と土を軽く混ぜ合わせながら、株元に土を寄せていきます。
  2. 2回目の追肥(2回目の土寄せ時):花のつぼみがつき始めた頃、同様に株間に肥料をまき、土寄せを行います。これが最後の追肥となり、この栄養が収穫までのイモの肥大を力強くサポートします。

 

「つるぼけ」に注意!

「つるぼけ」とは、肥料、特にチッソ成分が効きすぎて、茎や葉ばかりが青々と過剰に茂ってしまい、肝心の地下のイモが大きくならない状態のことです。

特に収穫期が近づいてからの追肥は、つるぼけを招きやすいため厳禁です。肥料は規定量を守り、2回目の土寄せのタイミングで完了させるのが、美味しいイモを育てる鉄則です。

元肥で良いスタートを切り、適切なタイミングの追肥で成長を後押しする。このメリハリのある施肥管理が、豊かな収穫へと繋がります。

 

ジャガイモの隣に植えてはいけないものは何?

限られたスペースで様々な野菜を育てる家庭菜園では、野菜同士の相性、いわゆる「コンパニオンプランツ」を考慮することが成功の秘訣です。一緒に植えることで互いの成長を助け合う良い関係もあれば、逆に病害虫を呼び寄せたり、生育を妨げたりする悪い関係も存在します。

じゃがいも栽培で特に注意すべきなのは、同じ「ナス科」の仲間や、生育環境の好みが全く異なる野菜を近くで育てることです。

相性野菜の例理由
悪い
(植えない方が良い)
トマト、ナス、ピーマン(ナス科)「疫病」などの共通の病気や、テントウムシダマシなどの害虫を引き寄せ合い、被害が拡大しやすくなる(連作障害と同様のリスク)。
悪い
(植えない方が良い)
きゅうり、スイカ(ウリ科)お互いの生育を抑制する物質を出すといわれ、生育不良になりやすい。
悪い
(植えない方が良い)
ひまわり、とうもろこし草丈が高くなり日陰を作るため、日光を好むじゃがいもの生育を妨げる。
良い
(一緒に植えると良い)
ネギ、ニラ、ニンニク独特の強い香りが、アブラムシなどの害虫を遠ざける効果が期待できる。
良い
(一緒に植えると良い)
枝豆、インゲン(マメ科)根に共生する根粒菌が空気中のチッソを土壌に供給し、土を肥沃にしてじゃがいもの生育を助ける。
良い
(一緒に植えると良い)
マリーゴールド根に寄生して被害を及ぼすネコブセンチュウなどの土壌害虫を抑制する効果がある。

 

菜園
菜園
特に、トマトやナスは絶対に隣で育てない方が良い組み合わせとして有名です。うっかり隣の畝に植えてしまうと、両方とも病気で全滅…なんてことにもなりかねません。植え付け計画を立てる段階で、この相性をしっかり考慮しておきましょう。

 

コンパニオンプランツの知識を活用することで、農薬に頼らずとも病害虫を減らし、野菜たちが健やかに育つ手助けができます。ぜひ、あなたの菜園計画に取り入れてみてください。

 

栽培で失敗しないための注意点

じゃがいもは比較的育てやすい野菜ですが、いくつかの重要な注意点を知っておかなければ、収穫の喜びが台無しになってしまうこともあります。特に、じゃがいもが自然に持つ毒素に関する知識は、家庭菜園を安全に楽しむ上で絶対に欠かせません。

 

【最重要】天然毒素「ソラニン」による食中毒に注意!

じゃがいも栽培で最も注意すべき点は、イモを日光に当てないことです。土寄せが不十分でイモが地上に露出したり、収穫後に長時間屋外に放置したりして日光に当たると、イモの皮が緑色に変色します。この現象を「緑化」と呼びます。

この緑化した部分や、発芽した芽、そしてその芽の根元には、「ソラニン」や「チャコニン」という天然毒素が通常よりもはるかに高濃度で含まれています。

これらの毒素は、摂取すると吐き気、嘔吐、腹痛、下痢、頭痛、めまいなどの中毒症状を引き起こす可能性があり、特に体の小さな子どもは重症化しやすいため注意が必要です。

この毒素は熱に強く、茹でたり焼いたりといった通常の加熱調理では分解されません。

安全に食べるためには、以下の点を必ず守ってください。

  • 緑化したイモは、皮を厚くむき、緑色の部分が完全になくなるまで取り除く。
  • 芽は、その周辺の根元の部分も含めて大きめにえぐり取る。
  • もしイモの広範囲が緑色になっている場合や、苦味やえぐみを感じる場合は、絶対に食べずに廃棄する。

このじゃがいもによる食中毒については、農林水産省も公式に注意喚起を行っており、学校菜園での食中毒事例も報告されています。家庭菜園を楽しむ者として、このリスクは必ず理解しておきましょう。

 

その他の主な病害虫と対策

  • そうか病:イモの表面がかさぶた状になる病気。前述の通り、土壌がアルカリ性になることや、未熟なたい肥の使用で発生しやすくなります。連作を避けることも重要な予防策です。
  • 疫病:梅雨時期など、雨が続いて湿度が高い状態で発生しやすい病気。葉に暗緑色の病斑ができ、やがて枯れてしまいます。株間を十分にとり、風通しを良くすることが予防につながります。
  • テントウムシダマシ(ニジュウヤホシテントウ):益虫のナナホシテントウと間違えやすいですが、これは葉を食べる害虫です。背中の星の数が多く、光沢がないのが特徴。見つけ次第、すぐに捕殺しましょう。

栽培の基本である「適切な土作り」と「丁寧な土寄せ」が、これらの病害虫や食中毒のリスクを減らす上で最も効果的な対策となります。

 

まとめ:家庭菜園でじゃがいもを楽しもう

まとめ:家庭菜園でじゃがいもを楽しもう

※画像はイメージ:家庭菜園の時間

ポイント

  • じゃがいも栽培は病害虫のリスクが少ない春作が初心者におすすめ
  • 土作りでは石灰を使わずpH5.0~6.0のやや酸性を保つことが重要
  • 種芋はウイルス病のリスクを避けるため必ず検査済みのものを購入する
  • 食用のじゃがいもは病気のリスクや発芽抑制処理のため種芋にしない
  • 植え付け2~3週間前に日光に当てて芽出しをすると丈夫な株に育つ
  • 種芋は1片30~50gに切り分け頂部の芽が均等になるように縦に切る
  • 切り口は草木灰をまぶすか数日乾かして腐敗を防ぐ
  • 植え付けの深さは種芋の上に土が5cm~8cmかぶさる程度が最適
  • 草丈10cm頃に元気な芽を1~2本残して芽かきを行い栄養を集中させる
  • 芽かき後と花のつぼみがつく頃の2回、土寄せをしっかり行う
  • 追肥は土寄せと同時に行い、2回目で完了させるのがつるぼけを防ぐコツ
  • トマトやナスなど同じナス科の野菜を隣で育てるのは厳禁
  • イモの日光による緑化は有毒物質ソラニンを生成するため土寄せは必須
  • 緑変した部分や芽とその根元は毒素を含むため完全に取り除く
  • 収穫は地上部の茎や葉が黄色く枯れてきた頃が適期のサイン
  • 収穫は土が乾いている晴れた日に行い、風通しの良い冷暗所で保管する
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kateisaien

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